チームラボ猪子さんのTED
あまりの目から鱗な考察に感銘を受けるとと共に、ガツンと殴られたような衝撃があったチームラボ猪子さんのTEDでのスピーチ
【得られた”知”のまとめ】(ブログ著者による解釈を含みます)
- よく日本画は平面だと言われる。一方西洋画はパースペクティブな立体構造。
- 昔の日本人は今と違って、レイヤー構造で、世界を見ていたのではないか
- 典型的な日本庭園は、借景があり、敷地を区切る壁があり、庭があり、廊下があり、、、といったレイヤーで構成されている。
- レイヤー構造なので、縦方向の動き、つまり庭を並べる縁側(廊下)から庭に向かって歩いていくと、その構造が壊れてしまうが、横方向に動けばレイヤーは壊れない。自然と、動線は横向きに作られた。
- 動線が横になっているので、昔の日本人は世界を横向きに見ていたのではないか
- 一方、典型的な西洋の庭園。ヴェルサイユ宮殿を思い浮かべれば、横に動いてしまうと景色が壊れるので、縦に動く必要がある。城・建物から噴水のある池、さらに奥に続く太い道 。パースペクティブで構成されている。
(日本庭園) (西洋の庭園)
出展)
京都写真(Kyoto Photo)の画像|エキサイトブログ (blog)
- 話は変わって、マリオ。スーパーマリオブラザーズでは、世界で初めて横スクロールでゲームが作られ、世界中から天才的だと賞賛された。
- しかし、マリオを生み出した任天堂は京都にあって、伝統的にレイヤー構造で作られた建物や庭がたくさんあり、そもそも世界を横に見ていることに慣れていた。天才的に編み出されたのではなくて、あくまで京都・日本の持つ文化から生まれたものではなかったか
- アメリカ人にゲームを作らせると、人物が登場せず、コックピットなどを通した表現になり、プレーヤーとその周囲全体を俯瞰したような表現にはならない。大和絵の表現ではなく、おばちゃんの絵(モナリザ)と同じ
- こうして考えてみると、”先人たちが永年構築していった日本の空間表現を、現代の日本人も無意識に受け継いでいて、その日本の空間表現が、インタラクティブなコンテンツであるゲームの空間表現に非常に相性が良かったのではないか”
- ”クリエイティビティというものは、自分たちが思っているよりも、個人、個人の能力を遥かに超えて、文化の上に成り立っている”
- ”そう、文化は、長い歴史の中で、非言語に、そして、無自覚に、連続しながら、新たなものを産んでいく。”
- ”文化を生み続けることが、文化を連続させていくことであり、文化を生み続け、連続させていくことが個人、社会のクリエイティビティを産んでいる”
(まとめ以上)